5.ナイチンゲール

2022年6月

フローレンス・ナイチンゲール(Florence Nightingale、1820 年〜1910 年)は、ヴィクトリア時代の英国で看護婦として活躍し、近代看護教育の母と呼ばれています。クリミア戦争時には野戦病院へ看護婦総責任者として赴任し献身的な看護を行うとともに、革新的な衛生管理・健康管理を徹底しコレラ・赤痢等感染症の蔓延を抑えて兵士の死亡率を数か月で42%から2%へと大幅に改善させ「クリミアの天使」と呼ばれました。今でも医療関係者からは、「感染制御の母」と呼ばれています。日本では、1910(明治43)年から1942(昭和17)年まで修身の国定教科書に登場しています。
 それでは1921(大正10)年4月から使用された第三期国定の修身教科書を見てみましょう。


「第二十一 博愛」
尋常小学修身書 児童用 巻四
1920(大正9)年 文部省

※画像は一部合成しています(頁間の結合)


「第二十 博愛」
尋常小学修身掛図 第五学年用上
1938(昭和13)年 文部省


(北澤清貴)