日本の教育の過去・現在・未来を
「教科書」とともに

ようこそ、東書文庫へ!
東書文庫は、昭和11(1936)年に開館した日本初の「教科書図書館」です。開館以来、「教科書」を通じて教育史に寄与し、教育文化の形成とさらなる発展に役立ちたいとの思いで、維持運営に尽力しています。
明治維新以降、急速な近代化を成し得た要因のひとつに、日本全体の基礎学問のレベルの高さがあります。江戸時代末期で世界でもトップレベルの識字率を誇っていました。その基礎学問の拠り所となったのが「教科書」です。「教科書」は古来、学びの場で身近に活用されていました。
東書文庫では、学びの場で活用された鎌倉時代から江戸時代の「往来物」、近現代の教科書まで幅広く所蔵しています。展示にも工夫を凝らし、その時代の特徴的な「教科書」を厳選して紹介していますので、日本の教育を体系的に振り返ることができます。「教科書」には、その時代の価値観や教育観が凝縮されています。まさに時代を映す鏡と言えます。
東書文庫の現在の蔵書は、国指定重要文化財76,420点を含む約16万点にのぼります。これは母体である教科書発行会社の強みを活かした長年の収集活動の賜物です。所蔵資料は社会貢献活動の一環として、無料で公開しています。これからも「教科書」を中心とした貴重な教育関係資料の保存・収集に努め、教育の足跡を未来に継承することで、我々の使命を果たして参ります。
また、東書文庫の建物は、幸いにも太平洋戦争の戦禍を免れました。アール・デコの意匠が用いられた建物は歴史的価値が高く、「東京都北区指定有形文化財(建造物)」の指定を受けています。建築家や写真家が撮影に訪れることもあります。敷地全体に広がる創建当時そのままの昭和レトロな空間を楽しんでいただけたら幸いです。
皆さまのご来館を、館員一同心よりお待ち申し上げております。
東京書籍株式会社附設教科書図書館
東書文庫 館長 髙石和治