「東書文庫」所蔵資料 重要文化財指定を受けて

2009年7月 代表取締役社長 川畑慈範



このたび、弊社附設の「東書文庫」所蔵資料の一部が重要文化財の指定を受けたことは、誠に名誉なことであります。戦禍をくぐり抜け、社員が力を合わせて守ってきた弊社の所蔵品が貴重な国民的財産になったことを自覚するとともに、責任の重さを痛感しております。また、引き続き所蔵資料の公開等にも努めていきたいと考えております。

「東書文庫」は昭和9年(1934年)に弊社の創立25周年の記念事業として創設されました。弊社は今年の10月に創立100周年を迎えます。この記念すべき年に重要文化財の指定をいただいたということは、奇しき因縁を感じます。

また、アール・デコの影響を受けた装飾で知られている「東書文庫」の建物は芸術的にも価値が高く、平成11年に東京都北区指定有形文化財に指定され、平成19年には経済産業省の「近代化産業遺産」に認定されています。

所蔵資料につきましては、大部分が紙素材であるため劣化という問題を抱えていますが、企業の社会的責任を果たすためにも管理・保護に全力で取り組みたいと考えております。


<歴史資料の部>

近代教科書関係資料 点数
○ 教科書類 75,277点
○ 掛図 805点
○ 原画 144点
○ 板木  194点
合計 76,420点

<文化庁 記者提供資料による指定理由>

近代の教科書関係資料として我が国で最も代表的な資料群。文部省より移管された明治期を中心とする教科書や掛図、教科書会社として教科書製作の過程で残された資料(印刷見本・原画・板木)等からなる。 初等・中等教育の各階梯の幅広い教科について、明治初頭から戦後の文部省著作教科書まで、一連の資料が系統的に残る。近代学校教育研究における基礎資料であり、我が国の教育史、出版文化史上等に価値が高い。


<国宝・重要文化財美術工芸品保存修理抜本強化事業について>

平成27年度から36年度までの10年計画を策定し、修理事業として継続しております。
    修理対象:76,420点の内、劣化が激しい掛図・掛幅287点

修理された資料は状態を観察しながら定期的に展示しております。

※なお上記事業は、文化庁、東京都による保存整備費補助金の交付を受け実施しております。