経済産業省は、平成19、20年度二年間にわたり、日本の産業の近代化に大きく貢献した建造物や機械などを「近代化産業遺産」として認定しました。それぞれの年度33ずつ、合わせて66ストーリーが公表されました。

東書文庫も平成19年(2007)11月に「近代化産業遺産群33」の「洋紙の国内自給を目指し北海道へと展開した製紙業の歩みを物語る近代化産業遺産群」の中の一つに認定されました。

渋沢栄一らが、明治6年(1873)に当時の東京府下王子村に「抄紙会社」を設立し洋紙の生産を開始しました。後の王子製紙(株)及び日本製紙(株)です。

また、紙幣の国産化を目指した明治政府は同じく下王子村に銀行券用紙製造工場の建設を決定し、明治9年(1876)年に竣工しました。現在の国立印刷局王子工場と東京工場です。

近代化産業遺産 認定証 写真

その後、紙の原料はボロ布に代わって、1890年前後から木材パルプが脚光を浴びました。パルプの輸入が増大する一方で、パルプ自給化が活発化し、北海道の豊富な森林資源に注目が集まり、1910年頃、王子製紙や日本製紙が北海道において操業を開始しました。

北海道苫小牧の王子製紙関連の数か所の施設と、東京都北区王子の渋沢資料館、紙の博物館、国立印刷局王子・東京工場と東書文庫が認定されています。この時期に洋紙需要が増大した背景の1つとして、国定教科書用紙(明治36年国定教科書制度成立)が和紙から洋紙に切り替わったことが挙げられます。このように、王子は我が国の洋紙発祥の地と言えます。